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2026.07.09
SCIENCE

大津町・日本郵便・PROVIGATEが連携:NEDO「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」の研究開発の一環として、地域保健モデルの社会実証を開始

郵便局ネットワークに在宅唾液グリコアルブミン検査とデジタルヘルスを組み合わせ、生活習慣病の重症化予防と健康寿命の延伸を目指す


郵便局から始まる、新しい地域保健
熊本県大津町(町長:金田英樹)、日本郵便株式会社(熊本県大津町内郵便局)および株式会社PROVIGATE(本社:東京都文京区、代表取締役:関水康伸)は、2026年7月9日、「在宅唾液検査を活用した血糖管理サポート社会実証事業」に関する三者協定を締結しました。

本プロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」DMP(量産化実証)フェーズの支援を受けて実施するものです。
自治体、日本郵便、ディープテック・スタートアップがそれぞれの強みを持ち寄り、「在宅検査」「郵便局ネットワーク」「デジタルヘルス」を融合した新しい地域保健モデルの社会実証を進めます。

本プロジェクトでは、在宅で採取した唾液グリコアルブミン(GA)による「血糖状態の見える化」、郵便局ネットワークを活用した検体物流、スマートフォンアプリによる継続的な健康支援を組み合わせることで、住民の健康づくりを日常生活の中で支える仕組みを検証します。

大津町で得られた知見をもとに、熊本県全域、更には全国の自治体への展開も視野に入れ、日本における持続可能な地域保健モデルの構築を目指します。


地域医療はいま、新しい仕組みを必要としています
日本では、糖尿病が強く疑われる人と、その可能性を否定できない人を合わせると約2,000万人に上ると推計されています。糖尿病をはじめとする生活習慣病は、健康寿命を縮めるだけでなく、医療費増加の大きな要因でもあります。

一方で、

  • 高齢化の進展
  • 地域医療を支える人材不足
  • 医療費の増加
  • 地域間の医療格差

など、日本の地域医療を取り巻く環境は大きく変化しています。これからは、「病気になってから治療する」だけではなく、

住民一人ひとりが日常生活の中で自ら健康状態を把握し、地域全体で健康づくりを支える仕組み

への転換が求められています。本プロジェクトは、その新しい地域保健モデルの実現可能性を検証する社会実証です。


なぜ郵便局なのか
郵便局は、全国約24,000局に広がる日本最大級の地域インフラです。郵便・金融・行政サービスなどを通じ、地域住民の日常生活に最も身近な存在として、全国津々浦々で地域社会を支えています。

本プロジェクトでは、この郵便局ネットワークを活用し、

  • 地域住民の皆様への健康情報の提供拠点
  • 在宅で採取した検体の回収・配送拠点
  • 地域の生活サポートプラットフォーム

としての可能性を検証します。郵便局が地域住民の健康を支える拠点となる、新しい地域保健モデルへの挑戦でもあります。

プログラムで行うことを説明した図


唾液グリコアルブミン(GA)とは
健康診断は年に1回程度。外来受診も数か月に1回。しかし、食事や運動などの生活習慣は毎日変化しています。生活習慣を改善するためには、「その結果がどう変わったか」をタイムリーに把握できることが重要です。

PROVIGATEは、平均血糖の間接指標である「グリコアルブミン(GA)」に着目し、在宅で採取した唾液を用いて血糖状態を継続的に把握する技術の研究開発を進めています。

グリコアルブミンについて説明した図

本プロジェクトでは、住民が毎週唾液GAの郵送検査を行い、その検査結果をスマートフォンアプリケーションで可視化することで、参加者の皆様の行動変容をサポートします。


社会実証の概要
本プロジェクトでは、大津町において、次の内容を実施します。

  • 郵送唾液GA検査を活用した週1回の血糖状態のモニタリング
  • 郵便局ネットワークを活用した検体回収・配送モデルの検証
  • スマートフォンアプリを活用した健康管理・行動変容支援
  • 参加率・継続率・健康改善効果・医療経済性の評価
  • 全国展開可能な地域保健モデルとしての実装可能性の検証

三者の役割
熊本県大津町
大津町は、地域保健施策との連携、住民への周知・参加者募集、関係機関との調整を担い、本プロジェクトを地域の健康づくりへ結び付けます。

日本郵便株式会社
日本郵便は、町内郵便局ネットワークを活用した広報活動、検体物流、地域住民との接点づくりを担い、地域インフラとして本プロジェクトを支えます。

株式会社PROVIGATE
PROVIGATEは、本事業全体の企画・運営を担うとともに、唾液検査サービス、スマートフォンアプリ、利用者サポート、データ解析および事業評価を担当します。


本プロジェクトの特徴
1. 自治体、郵便局、ディープテック・スタートアップが連携する新しい地域保健モデル
自治体の保健事業、郵便局ネットワーク、大学発ディープテックを融合し、住民の日常生活に寄り添う健康支援モデルを構築します。

2. 採血を必要としない在宅健康管理
住民が自宅で採取した唾液を用いて継続的に血糖状態を確認し、生活習慣改善につなげる新しい健康管理の実現を目指します。

3. 郵便局ネットワークを活用した社会実装
地域に密着した郵便局を物流・広報・住民との接点として活用し、誰もが利用しやすい仕組みを検証します。

4. NEDO DTSUによるディープテックの社会実装
本プロジェクトは、NEDO「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」DMPフェーズの研究開発の一環として、研究成果を社会実装へつなげる取り組みです。

5. 全国展開可能なモデルを目指す
本実証で得られた知見を基に、自治体・地域インフラ・デジタルヘルスが連携する新しい地域保健モデルとして、全国への展開を目指します。


このプロジェクトが目指す未来
生活習慣病は、医療機関だけで解決できる課題ではありません。住民が日常生活の中で自ら健康状態を把握し、小さな生活習慣の改善を積み重ねることが、将来の重症化予防につながります。

本プロジェクトは、

  • 自治体
  • 地域インフラである郵便局
  • 大学発ディープテック

を組み合わせ、住民が無理なく健康管理を続けられる新しい地域保健モデルの構築を目指すものです。地域に密着した行政と郵便局、そして最新のデジタルヘルス技術が連携することで、「健康づくりを地域全体で支える」という新しい社会インフラの可能性を検証します。

本実証で得られた知見を全国へ展開し、健康寿命の延伸と持続可能な地域医療の実現に貢献してまいります。


今後の予定
2026年度より住民参加型の社会実証を開始し、

  • 利用継続率
  • 健康行動の変化
  • 健康改善効果
  • 医療経済性
  • 地域保健モデルとしての有効性

などについて検証を進めます。

また、本実証を通じて得られた知見をもとに、自治体、地域インフラ、デジタルヘルス企業が連携した新しい地域保健モデルとして、全国への展開を目指します。


DTSUについて
本事業を通じて、ディープテック分野のスタートアップに対する投資やユニコーンの創出を大きく促進させつつ、グローバル市場も視野に入れた、ディープテック・スタートアップの事業成長及びそれらが有する革新的な技術の確立・事業化・社会実装、それらに伴う新たな付加価値の創出を加速させることを目的とした事業です。


株式会社PROVIGATEについて
株式会社PROVIGATEは、東京大学発のディープテック・スタートアップです。
“unlocking the power of behavior change” をビジョンに掲げ、グリコアルブミン(GA)を指標とした血糖管理支援サービスの研究開発・社会実装を進めています。
採血を必要としない唾液検査技術とデジタルヘルスを融合し、糖尿病をはじめとする生活習慣病の重症化予防、健康寿命の延伸、持続可能な医療の実現に貢献することを目指しています。


会社概要
会社名
株式会社PROVIGATE

所在地
東京都文京区向丘二丁目3番10号
東大前HiRAKU GATE 5F

代表者
代表取締役 関水 康伸

事業内容
家庭用血糖モニタリングデバイスおよびアプリの開発、関連サービスの提供


本件に関するお問い合わせ先
株式会社PROVIGATE (担当:堀岡)
https://provigate.com/contact/


糖尿病は血糖値があがる病気。だから糖尿病のある人は血糖を測定する。この様にシンプルに考える人が多いのではないでしょうか。
しかし、一口に血糖測定と言っても、目的は多様です。糖尿病の診断、インスリンの自己注射のドージング、薬の効きすぎなどによる低血糖の回避、行動変容など、血糖測定の場面は実に多様です。目的にあった血糖測定法を上手に選択しなければなりません。

自己血糖測定法には、広く普及しているSMBG(Self-Monitoring of Blood Glucose)や近年普及してきたCGM(Continuous Glucose Monitoring)が有ります。
この2つの血糖測定法は、主にインスリンなどの注射製剤を自己注射される患者さんに合わせて作られています。
この2つの手法以外に、簡便かつ日常的に自宅で血糖を測定する方法はこれまでありませんでした。

インスリンなど一部の薬は、非常に効き目が強いために、使用量を間違えると危険な低血糖を引き起こしかねません。
従って、例えばインスリンを利用する方は、自宅で自己注射をする前に、正確に随時血糖を測定し、注射する量(ドース)を丁寧に決める必要があります。また、注射を打った後にも、低血糖の兆候があるときには、随時血糖を測定し、必要に応じてジュースを飲むなどし、低血糖を回避する必要が有ります。
しかし、いずれの手法も侵襲性が課題となります。また、SMBGは頻回測定をしなければならないので、積み上げると経済的な負担も大きくなります。CGMは連続的に間質液糖が測定できますが、センサの価格が安いものでも6,000円程度し、さらに2週間に一度は付け替える必要が有り、やはり経済的な負担が大きなものです。
SMBGやCGMは、侵襲性や費用の面から、残念ながら万人向けにはなっていません。特に日本では、自己血糖測定が保険適用になっているのは、糖尿病患者の1割以下のインスリンユーザーのみとなっています。

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