2025年5月7日、東京都港区の Coral Beach にて、OMEGA Study Group 主催による「OMEGA Meeting 2025」が開催されました。
本イベントは、糖化アルブミン(GA)を活用した在宅モニタリング法の社会実装に向けて、研究・医療・制度の観点から実務者間での知見を共有することを目的に企画されました。GAは近年、糖尿病のモニタリング指標として注目されており、OMEGA Study Group ではその臨床実用化に向けた研究活動や啓もう活動を産官学で連携し継続的に進めています。
【開催概要】
イベント名:OMEGA Meeting 2025
開催日:2025年5月7日(水)
会場:Coral Beach(東京都港区)
主催:OMEGA Study Group
形式:ハイブリッド開催(現地+Zoomによるオンライン接続)
【主なプログラム構成】
グリコアルブミンの臨床開発の歴史紹介
グリコアルブミンの標準化と臨床実用化に重要な役割を果たした研究者による、1980年代からのグリコアルブミン臨床開発の歴史について解説が行われました。
基調講演
まず、糖尿病技術の発展に大きく貢献してきたDr. David Klonoffは、尿糖測定、SMBG、HbA1c、GA、フルクトサミン、1,5-AG、CGMといった血糖測定技術の進化を辿り、これらが糖尿病管理に与えた影響について解説しました。さらに、血糖データの活用に関する新しい枠組みである「Glycemia Risk Index(GRI)」についても紹介しました。
続いて、糖尿病患者の心理的課題に注力するDr. William Polonskyは、「誰も健康で長生きしたいという意欲を持っている」という前提に立ち、患者のエンゲージメント向上をテーマに講演しました。フィードバックの頻度や個人的な意義、明確さ、指導・支援、そして患者個別の特性という五つの重要な要素が挙げられ、技術活用による患者中心ケアの重要性が訴えられました。
在宅GA測定の実証研究進捗報告
在宅でのGA測定結果の可視化が行動変容に及ぼす影響について共有され、また地域での実装に向けた知見も報告されました。
当社からの現場レポート
弊社がヘルスケア事業としてパイロット展開しているGAの郵送モニタリングサービスに従事する看護師から、ユーザー支援の実際について発表がありました。週1回のGA自己測定を通じて、個人が血糖管理の意識を高め、生活習慣を改善していった具体例が紹介されました。日常的な支援を行う現場視点から、継続率向上の工夫や運用課題などが共有されました。
制度・技術的論点の整理
GAの技術開発の方向性、標準化や評価指標設計、診療報酬体系との整合に関する議論が行われ、実装フェーズに向けた制度設計の論点が提示されました。
ポスターセッション
GAに関する様々な研究ポスターが、アカデミアおよび関連企業から掲示され、活発な議論が行われました。
【今後の展望】
OMEGA Study Group では今後も、GAを活用した週次血糖モニタリングの有効性に関するエビデンスの蓄積を進め、地域実装や制度提案に向けた実務的な連携を深めていきます。得られた知見は、広く社会全体に還元すべく、継続的な報告・議論を行ってまいります。
詳しくは以下公式サイトをご参照ください。
OMEGA Study Group公式サイト : https://omega-study.org/OMEGA-Study-Group-b1a2c2e091ef45c8bc6f3d07353c761a
OMEGA Meeting 2025 Report : https://cuboid-broker-507.notion.site/OMEGA-Meeting-2025-Report-1f890268eccf80f0966cf3d5c46caba9
糖尿病は血糖値があがる病気。だから糖尿病のある人は血糖を測定する。この様にシンプルに考える人が多いのではないでしょうか。
しかし、一口に血糖測定と言っても、目的は多様です。糖尿病の診断、インスリンの自己注射のドージング、薬の効きすぎなどによる低血糖の回避、行動変容など、血糖測定の場面は実に多様です。目的にあった血糖測定法を上手に選択しなければなりません。
自己血糖測定法には、広く普及しているSMBG(Self-Monitoring of Blood Glucose)や近年普及してきたCGM(Continuous Glucose Monitoring)が有ります。
この2つの血糖測定法は、主にインスリンなどの注射製剤を自己注射される患者さんに合わせて作られています。
この2つの手法以外に、簡便かつ日常的に自宅で血糖を測定する方法はこれまでありませんでした。
インスリンなど一部の薬は、非常に効き目が強いために、使用量を間違えると危険な低血糖を引き起こしかねません。
従って、例えばインスリンを利用する方は、自宅で自己注射をする前に、正確に随時血糖を測定し、注射する量(ドース)を丁寧に決める必要があります。また、注射を打った後にも、低血糖の兆候があるときには、随時血糖を測定し、必要に応じてジュースを飲むなどし、低血糖を回避する必要が有ります。
しかし、いずれの手法も侵襲性が課題となります。また、SMBGは頻回測定をしなければならないので、積み上げると経済的な負担も大きくなります。CGMは連続的に間質液糖が測定できますが、センサの価格が安いものでも6,000円程度し、さらに2週間に一度は付け替える必要が有り、やはり経済的な負担が大きなものです。
SMBGやCGMは、侵襲性や費用の面から、残念ながら万人向けにはなっていません。特に日本では、自己血糖測定が保険適用になっているのは、糖尿病患者の1割以下のインスリンユーザーのみとなっています。
Provigateでは、ユーザー一人一人に向き合う心を持ち、
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